人は、情報の87%を視覚から得ています。わたしたちの社会にはテレビ・新聞・雑誌・インターネット、サイン(掲示物)など、私たちの社会には視覚メディアがあふれています。
しかし、高齢者・弱視・色覚障がい者に対して「文字を読みやすくする」という配慮がなされてないのが現実です。それどころかデザインを優先するあまり、何が大事か、何を伝えたいかがわかりにくいものも多くあります。
視覚情報の中には公共性の高い官公庁・病院などの災害情報や、食品・薬品の安全情報など生命にかかわる重要なものもあり、これらを最適化することがメディア・ユニバーサルデザイン(MUD)の使命です。
1. アクセシビリティ (接近容易性)
見えない・読めないなど、情報の入手を妨げる要因を取り除く工夫が必要です。たとえば高齢者に対しては、明度差をつけた配色を行うと有効です。
2. ユーザビリティ (使いやすさ)
より快適・便利に使える使いやすさの工夫が必要です。施設の案内図にトイレの表示をする際、その形状や付近のアクセスの情報があれば障がい者にとって便利です。
3. リテラシー (読めて理解できる)
内容がより理解しやすい表現や構成にする工夫が必要です。平易な言葉づかいは子どもや外国人に、カタカナ語を不用意に使わないことで高齢者にもわかりやすくなります。
4. デザイン (情緒に訴える)
情緒に訴え、行動を誘発するデザインへの工夫が必要です。メディア・ユニバーサル・デザインはデザイン性が高いことと矛盾しません。
5. サスティナビリティ(持続可能性を満たす品質であること)
実現するのに過大なコスト負担がなく環境へも優しいものである必要があります、将来にわたって長く使用し続けられることが大切です。
■参考
全日本印刷工業組合連合会
「メディア・ユニバーサルデザインガイドライン」